歯科の受診はコロナ感染への危険があるか? | お知らせ | 広島県広島市中区の村上歯科医院

  • 082-249-7176
  • 9~13時/14時半~18時半(水,土は13時迄)
    休診:日,祝(祝日週は水曜午後も診察)
  • 予約バナー

歯科の受診はコロナ感染への危険があるか?

投稿日:2020年05月23日

コンサルタントとの視点から

 

 1)歯科医療は不要不急ではないが?

歯科医療は不要不急ではありません。しかし、急患でお痛みの患者さんの治療はもちろん、治療の途中で1週間も余計に治療期間が開くと根管への感染リスクが高くなり、治らないばかりか、中断期間が長くなるとその歯を失うリスクも高くなります。歯牙を形成してからセットまで3週間も開けると、セット時にかなりの調整が必要になったり、せっかく作ったクラウンやインレーが使えなくなってしまいます。歯列矯正でも、毎月のチェックをしておかなければ狙い通りのリザルトが得られなくなるリスクが出てきます。このように、歯科医療は歯科医師が治療計画に基づいて、一定の期間を設定しながら治療を進めているわけで、決して不要不急ではありません。診療室内にエアロゾルをまき散らす危険に配慮し、飛沫を少なくするように注意しながら継続するべきと考えられるのです。歯科衛生士の処置も同様に不要不急ではありません。例えばSPT(歯周病安定期治療)は、重症化予防のための医学管理です。糖尿病や高血圧の医学管理と同じで、放置しておくと糖尿病などを発症する危険があるから定期的に予防管理しているのです。不要不急といえるのは審美目的のホワイトニングぐらいでしょう。元国立保健医療科学院口腔保健部部長で、鶴見大学歯学部探索歯学講座教授の花田信弘先生が、4月20日に放送されたNHKのテレビ番組『朝イチ』で、「口腔ケアは重症化を予防し、ウイルス感染による肺炎に続いて起こる、免疫力低下による細菌性肺炎のリスクを低下させる」と話され、さらに、Facebookにて、次のような画像を公開されました。画像の出典はOur World in Dataが作製したビデオということです。とても説得力があるので、一部を抜粋して、画像と解説を掲載させていただきます。

 【解説】

① はじめはウイルス性肺炎との戦いである。

② ところがウイルスに対する免疫力が暴発し、肺の細胞がダメージを受けて、細菌性肺炎を起こしやすくなる。

③ むし歯・歯周病の治療と歯みがき・舌磨きをしなければ、細菌性肺炎を続発する。

④ 数千単位で細菌が急速に増加して免疫システムを圧倒して重症化する。

⑤ やがてバクテリアが血液に入り体を蹂躙(じゅうりん)する。この状態になると死の可能性が非常に高くなる。

 いかがでしょうか。口腔内の細菌を少なくすることで、新型コロナウイルスに感染しても肺炎の重症化を予防することができるというのです。歯科衛生士のみなさんも、自信をもって口腔ケアを提供していただきたいと思います。

 2) 歯科医院の患者への感染リスクは高くない

「歯科医院に行くと感染リスクが高いから行かない方がよい」という意見がありますが、歯科医療従事者から患者さんへの感染リスクは低いと考えられます。

 歯科医院では、新型コロナウイルスの感染拡大の有無に関わらず、以前から患者ごとの器具の交換、滅菌、ディスポーザブルの器具の使用などを行っています。かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所や、外来環境加算を算定している医院では口腔外バキュームを常備しています。グローブも患者毎に交換し、マスク、ゴーグルを着用して処置を行なっています。問診をとるときも、多くの歯科医師はマスクを着用しており、術者の唾液が患者の口腔内に飛ぶ可能性は少ないと考えられます。

 待合室が混雑している場合は患者同士の感染リスクがあるという意見もあります。確かに、内科や総合科では、発熱し感染リスクの高い患者が来院します。そして、どこの医院も混雑しており、待合室で30分ぐらい待たされることが多いようです。なかには1時間待ちになることもあり、待合室での患者同士の感染リスクが否定できないと思います。しかし、歯科医院はもともと体調が悪い患者さんが集まる医療機関ではありません。インフルエンザで発熱している患者さんがたまに無理をして来院されるケースはありますが、どの歯科医院でも丁重にお帰りいただいているでしょう。むしろ、ほとんどの患者さんは、体調が悪いときは無理をせず「今日は体調が悪いから」と予約変更の連絡をされます。発熱していたり体がだるく不調だったりするときに、歯科治療を受けたいと考える人が少ないのは理解できるでしょう。

 さらに、歯科医院の多くは予約制です。待合室は混雑しませんし、10分も待たせることは少ないと思います。また、多くの歯科医院の待合室では、空気清浄機を稼働させたり、窓を開けたりしており密室状態ではありません。狭い待合室で大勢の患者が密集したり、密着して座ったりする可能性は少ないのです。(ただし、待合室が混雑する大学病院の歯科では一般診療を休診したところが多いようです。)

 3)患者からの感染確率も高くない

感染リスクが高いのは、来院される患者さんではなく、むしろ歯科医療従事者の方でしょう。それは患者の口腔内と距離が近く、患者の唾液や血液の飛沫を直接浴びたり、患者の血液や唾液がハンドピースや超音波スケーラーの飛沫と一緒にエアロゾルになって診察室内に浮遊したりするからです。新型コロナウイルス感染症では、症状がでず感染に気づいていない患者が来院する可能性があります。また、肝炎の患者の80%が歯科医院には告知しないというデータもあり、HIVやHBV、HCVなどの感染リスクもないとはいえない過酷な環境だからです。

 とはいえ、歯科医師、歯科衛生士のCOVID-19の感染事例は多くありません。全国 68,000軒の歯科医院が毎日診療を行なっていることを考えれば、現時点では感染事例は少ないといえるでしょう。現時点の感染状況は次の図表-1のとおりです。

 

図表-1 現時点の感染状況

 

ここで、患者から感染させられる確率を考えてみましょ 厚生労働省の患者調査によれば、急患で 来院する可能性のある、う蝕(むし歯)の受療率は、人口10万に対して、219です(図表ー2)。受療率とは、人口10万人に対してどれだけの割合の人が外来や入院などの医療を受けたかを表す数値で、計算式は「受療率=1日の全国推計患者数 ÷ 10月1日現在総人口 × 100,000」です。

 

図表ー2「傷病別年次推移表 う蝕の罹患率」

日本の新型コロナウイルスの感染者数は1万2千名(2020年4月末時点)です。マスコミが言っているようにその10倍のコロナウイルス潜在感染者がいると仮定しても、潜在感染者も含めて来院する患者数は101千人、つまり10万人あたり263ということになります。

 これに対して歯科医院は2020年1月現在で約68,300軒あります。つまり、感染した患者さんが個々の歯科医院に来院する確率は263 ÷ 68,300軒= 0.38です。実際の感染者数は約1万2千人ですので、0.038%です。 

 また、平成29年では、歯科医院の患者の45.2%が65歳以上です(図表-3)。この年齢層の方達は、COVD-19に罹患すると発熱したり咳をしたりするなど自覚症状がでる方が多く、無理に歯科医療を受けようとせずにアポイント変更をするでしょう。自覚症状のない患者の年齢構成比率は20.4%です。受療率を考えると、潜在患者が10万人いるとしても、44.7人に過ぎません。

 

図表ー3

 

これは、多少体調が悪くても日常の買い物に訪れる可能性があるコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどと、歯科医療を受ける患者だけが来院する歯科医院の感染リスクの大きな違いです。なかには極端に感染を恐れる歯科医師やスタッフがいるようですが、必要以上に怖れる必要はない来院確率なのです。

経営コンサルタント 木村泰久

 

 

 

お知らせ一覧

< 12 >

診察時間のご案内

診察時間
9:00~13:00
14:30~18:30 × ×
休診日 水曜午後・日曜日・祝祭日
※祭日のある週は水曜日午後も診療いたします。